羽海野チカ原作、好評放送中のNHKアニメ『3月のライオン』(2期)。

 1期のOPテーマであるBUMP OF CHICKEN『アンサー』が、(ED曲『ファイター』とのつながりも含めて)作品の雰囲気にハマりすぎていたため、相対的に2期OP『さよならバイスタンダー』は主題歌としては微妙な評価を受けることが多い。ぼくも最初「アンサーのほうが好きだなぁ」と思っていた。


 が、毎週アニメを観ながら繰り返し聴くうち、考えが変わった。
 「どっちも同じくらい名曲だけど、『2期のOP』として考えるなら、さよならバイスタンダーはこれ以上なくすばらしい!」と。



「水」と「光」と「風」

 アニメ『3月のライオン』は、心理描写のメタファーとして「水」「光」「風」を意図的に多用している。
 特に1期は、主人公である桐山零が苦しみもがく、「苦悩」「停滞」の表現として「水」が多用された。
 対して2期は、少しずつだが人とのつながりを得たり、果敢にも強敵と対峙したりする「前進」「挑戦」の表現として、「光」「風」が使われる割合が高まっている。

 それをふまえたとき、『さよならバイスタンダー』はまさに「光」と「風」の曲であり、「前進」と「挑戦」の歌である。
 「夕焼けがしましまのボーダーになる」などの光(と影)をイメージさせる歌詞が随所に織り込まれ、アップテンポな曲調には風のような疾走感が漂う。
 なんて2期にピッタリな歌なんだ!



さよならバイスタンダー 僕らは歩いて行く

 バイスタンダーは「発見者、同伴者」、やや意訳だが「傍観者」などの意味。
 傍観者であることをやめ、ひとりの人間としてまっすぐに生きることに挑もうとしている、2期の零。
 少しずつだが多くの信頼できる仲間や味方を得て、研究会にも入り、前を向いて歩くことができるようになった、2期の零。

 だからこそ、「さよならバイスタンダー」であり、「僕らは」歩いて行く、なのだと考えることができる。っていうか、YUKIも実際インタビューでそんなことを言っていた。
 なんて2期にピッタリな歌なんだ!



この道行きの最後が 天国か そこらじゃあないとしても

 「この道行きの最後が 天国か そこらじゃあないとしても」。ぼくはここの歌詞がいちばん好きだ。
 将棋にのめり込み続けた先に何があるのか。いつか将棋をやめた先に何があるのか。わからない。わからないし、怖いけど、それでもいまは前に進みたい。前に進みたいと思える理由を持つことができた。
 そんな2期の零を、たった一行ながら、もっとも端的に表現してくれているフレーズだと思う。
 なんて2期にピッタリな歌なんだ!




 というわけで、いまでは1曲リピートで2時間聴き続けてしまうくらい、『さよならバイスタンダー』にドハマりしているぼくである。
 みなさんもぜひ買いましょう。もちろん3月のライオンも引き続き観ましょう。