nihonchizu

 18歳で広島を出たぼくは、横浜名古屋京都、あとは短期間だが東京大阪福岡など、太平洋ベルト沿いの主要都市を転々と住んできた。

 そのなかで、ダントツで住みやすかったのが名古屋だ。

 全都市を住みやすかった順に並べろと言われたら悩むが、1位名古屋と最下位東京だけは即答できる。
 なお、東京が住みにくいことはみんな知っていると思うので、特に触れない。


 いったいなぜ、名古屋はそんなにも住みやすいのか。
 それは決して、「東京と大阪の間でなんかいろいろいい感じだから」なんて単純な話ではない。

 そこで今回は、各地で暮らした実体験をもとに、名古屋がめちゃくちゃ住みやすい真の理由7つを紹介する。
 名古屋で生まれ育った人が見たら怒りそうな内容も含むけれど、ぼくはぜんぶポジティブな意味で言っているので、どうか大目に見てください。



1. 都市だけど田舎
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 名古屋は大都市だが都会ではない。
 その正体は、立地と徳川家康とトヨタのおかげでたまたま大きくなってしまっただけの農村である。名古屋市あらため名古屋村である。

 よって名古屋は、東京や大阪に次ぐ経済規模を誇りながら、それらとは流れる時間や空気がまったく異なる。
 住民の基本気質も近所にスタバができると聞くと2ヶ月前からソワソワするくらい田舎者なので、田舎から出てきた人にとってはそれだけで居心地がいい。シンパシー。
 また、ホントの都会では滅びてしまったご近所同士の仲間意識がほどよく生きているので、「隣の人が何者かわからない」「突然へんな人に襲われるかもしれない」といった心配が少ない。


2. みんなダサい


 名古屋の人はダサい。わかりやすく言うと、そのオシャレレベルは埼玉と同水準である。埼玉の人怒らないでください。
 原因はいろいろあるが、名古屋は住みやすく観光が弱いので人の流出・流入が少なく、他地域のオシャレ文化があまり入ってこないのが主因だろう。

 大都会に住んでいると、夜中に牛乳1本買いにコンビニに行くのにもそこそこの服を着なければならないが、名古屋はしまむらのスウェットで余裕。むしろそれですら場合によってはオシャレな部類に入る。
 ぼくみたいなオシャレが苦手な人にとっては、同類がたくさんいる安心感。オシャレな人にとっては、自分だけ頭ひとつ抜けている優越感が得られるだろう。


3. 車と電車がどっちも便利
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 名古屋村は守り神トヨタ様のご加護を受けて発展したので、車も多いが道路もめちゃめちゃ広い。こんなにあらゆる道路が広いのは日本中で名古屋だけ。走りやすく、東京や大阪のような渋滞が起きづらい。
 また、いちおう都市というプライドがあるので、地下鉄をはじめとする鉄道網もかなり整備されている。市内で生きるぶんには、車はまったく不要だ。

 そして、そうやって車と電車がバランスよく使われているおかげで、市の人口200万人超にも関わらず通勤ラッシュが少ない。
 まったくないわけではないが、東京や大阪のそれを体験した人なら、「なにこれ?世界の半分くらい死んだの?」と思うくらい余裕なレベル。


4. 街が小さくまとまっている
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 名古屋で繁栄しているのは、ざっくり言うと「名古屋駅周辺」と「栄(さかえ)エリア」だけである。
 それぞれの距離もまあまあ近く、がんばれば徒歩でもだいたい回れてしまう。

 東京だったら主要なお店が銀座やら原宿やら新宿やら秋葉原やら各地に点在していて大変だが、名古屋は名駅(めいえき。名古屋駅のこと)か栄に行けば99%解決する。超わかりやすい!

 ちなみに、ぼくは栄からすぐ近くの大須というエリアに住んでいた。電器店やアニメ・ゲームショップが連なる、ちっちゃい秋葉原みたいなところだ。これもやはり歩いて回りやすい。


5. 自然が多い
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 名古屋は間違って一部が発展しすぎただけの村なので、自然がいっぱいある。
 公園はもちろんだが、人の手が入っていない本物の自然も多い。そういうのが愛知県の端とかではなく、名古屋市内にふつうにあるから驚きだ。
 それはとっても貴重なことだし、子育てにも適しているし、ぼくみたいな田舎者にとっては安らぎを得られて本当にありがたい。


6. ご飯のウマいマズいが極端
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 味噌カツ、台湾ラーメン、小倉トースト、シロノワール、あんかけスパゲティ、ベトコンラーメン……
 「名古屋めし」はいろいろあるが、その多くは味付けが極端で人によって好みが大きく分かれる。たとえばぼくは台湾ラーメンや小倉トーストは大好きだが、味噌カツやシロノワールはダメだ。きっと逆の人もいるだろう。

 これのなにがいいかと言うと、名古屋の人たちもみんな「名古屋めしは好き嫌いが分かれる」と知っているので、ムリにすすめてこないのだ。
 もし食べさせられてイマイチでも、「まあ、合わない人もいるからねー。ほかにもおいしいものいっぱいあるからそっち食べようか」で終わる。安心である。
 お好み焼きを食べ残すと小指を詰めなければならない広島とはエラい違いである。


7. みんなやさしい
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 名古屋の人はみんなやさしい。
 名古屋は人の流入が少ない都市だし、観光名所も少ないし、「まあ東京や大阪よりだいぶ格下だからなぁ……」という自覚もあるので、それでも名古屋に来てくれた人には「ありがとう!本当にありがとう!!」とめちゃくちゃ優しくしてくれるのだ。
 こっちが名古屋を好きになる姿勢を見せれば、向こうはその5倍くらいのテンションで迎え入れてくれる。

 また、都会と田舎の両面を併せ持つので、どっちから来た人の気持ちもよくわかってくれるのも素敵だ。
 名古屋にいると、「都会人はこれだから……」「田舎者はこれだから……」みたいな話がいっさい出ないのだ。だってそもそも自分たちがどっちなのかよくわかってないんだもん。



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 というわけで、その独特の成り立ちや文化や人のおかげで、抜群の住みやすさを誇る名古屋。
 まずはちょっと旅行に行ったときでもいいので、ぜひいろんな場所や人に触れてみて、その片鱗を感じ取ってほしい。