iOS10では『ミュージック』アプリが一新された。
 フォントが大きくなり画面の使い方がゆったりしたことで使いづらくなったとか、Apple MusicだのConnectだの利用率の低いサービスを前面に押し出してきてウザくなったとか、わりと不評の声が多い珍しいアップデートとなった。

 まあ、そのへんはいいのだ。
 慣れの問題もあるだろうし、Appleが推したいサービスを推してくる気持ちもわかる。個人的にはとやかく言うつもりはない。


 ぼくが本当に困ったのは、『スクラブ機能の削除』である。




 iOS9以前では、再生中の曲を任意のポイントまで早送り/巻き戻ししたいとき、スライダーのボタンをつまんだまま上下にドラッグすると、その速度を調整できた。これがスクラブである。
 これにより、1秒単位で細かくポイントを調整できたり、長い曲でもカンタンに好きなポイントを指定したりできた。




 しかし、iOS10ではこれができなくなった。
 いくら上下にドラッグしても、早送り/巻き戻しの速度は変わらない。
 どうあがいても細かいポイント調整ができなくなったので、慣れうんぬんの問題ではなく明らかな機能低下である。単純な劣化である。

 まあ、ふつうに音楽を聴くだけなら、このスクラブ機能を使う機会は多くないのかもしれない。だから削除されたのかもしれない。




 ただ、ぼくは録音した深夜ラジオ(2時間)をiPhoneに入れていつも聴いているので、めちゃくちゃ困る。
 CMを飛ばしたい、番組途中の曲を飛ばしたい、あのコーナーをもういちど頭から聴きたい……といったときに、ぜんぜん調整できないのだ。スクラブ機能がないので、たとえば右に1ドット動かしただけで1分も2分も進んでしまう。なんじゃこりゃとしか言いようがない。



 新しいUIで再生スライダーがそもそもなくなったのであればスクラブもなくなって当然だが、そうではなくただ劣化しただけ、というのは悲しいものがある。
 ぜひ今度のアップデートでは復活させてほしい。