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 2歳の娘が便秘になった。もう丸一週間、ウンチが出ていない。
 おなかはかなり張っており、便意はあるのに固くて出ない。娘は痛みと苦しみで一日に何度も泣いてしまっている。

 乳幼児の便秘はよくあることだが、さすがに一週間は長い。心配だから病院に連れて行きたいが、いまは3連休。かかりつけの小児科は休みだ。
 どうしたものか、と困っていたのだが、偶然ドラッグストアで幼児用のイチジク浣腸を発見したので、これを買って使ってあげることにした。

 こちら。赤ちゃんから5歳まで使える小さめの浣腸とのことなので、2歳の娘にもバッチリ。
 しかしこれ、使用方法の説明を見ていると、いくつか疑問が出てきた。

 「ここまで入れる」と目安が書いてあるが、けっこう深くないか?ホントにそこまで入れて大丈夫なのか?
 どんな角度で、どの程度の勢いで入れてやれば痛くないのだろうか?
 「ゆっくりと薬液を注入」と言うが、ゆっくりとはどれくらいなのか?
 注入から3~10分待って排便、と言われても、ホントにそんなに我慢できるものなのだろうか?


 さて、世の中には「百聞はイチジクにしかず」という言葉がある。
 また、「案ずるより浣腸が易し」という格言もよく聞く。
 劉備が諸葛亮を仲間にするために三度もイチジク浣腸したというのは有名な話である。

 すなわち、疑問があるなら、まずはぼく自身が試してみればいいのである。

 日本の9割の成人男性がイチジク浣腸の経験豊富ななか、イチジク浣腸ヴァージンのぼく。いまさら初体験だなんて恥ずかしいが、愛する娘のためだ。もう後には引けない。

 親指ほどの長さしかない小さな幼児用浣腸を握りしめ、トイレの目の前、脱衣場で全裸になり女豹のポーズを取るぼく。
 ちなみに、いまベランダで洗濯物を干している妻は、ぼくがこんな状態であることをまったく知らない。ヤツときたらのんきに鼻歌でaikoを歌ってやがる。
 妻がフルコーラスを歌いきり、洗濯物を干し終えるであろう約5分以内に、すべての決着をつけなければ。


 ここから先は、娘のために気づきやコツを記録しておこうと録音した、ぼくの初イチジク浣腸(セルフ実況つき)を忠実に文字起こししましたので、経過時間表記とともにお楽しみください。


00:01 よしっ。
00:13 え、かたっ。固くない?これ入る?入るこれ?
00:44 あっ、あっ。あああー……おっきい……
00:55 ゆっくり……ゆっくり注入……
00:59 ひゃっ、つめ、つめたい、なかつめたい、ひゃぁぁぁぁぁ
01:16 ひゃぁぁぁぁぁ……はぁぁ……
01:29 ぜんぶ?これでぜんぶ?10グラムってすごい……これで3分待つ……
01:45 あ、うそ
01:49 やばいやばいもう
01:55 だめだめだめ
01:58 (ピンポーン、とインターホン鳴る音)
02:04 (「宅配便かも!出てー!」とベランダから妻の声)
02:10 むり!待って!この家の床がどうなってもいいのか!!
02:22 あっ、あっ、あっ 
02:29 (トイレのドアを開けて座る音)
02:33 あっ、あああああー……はあーん……
03:19 はぁ……はぁ……
03:28 えっ、うそうそ
03:31 あっ、あっ、あっ
03:44 あっ、あああああー……はあーん……
04:07 はぁ……はぁ……




【学んだこと】
幼児用だろうがなんだろうがスゴいものはスゴい。