ファイアーエムブレムシリーズではおなじみの職業、「ペガサスナイト」
 天馬騎士とも呼ばれ、ペガサスを駆って戦う女性騎士である。

 そして、ペガサスナイトといえば「ペガサス三姉妹」である。
 初代『暗黒竜と光の剣』(1990)のパオラ、カチュア、エストに始まり、ファイアーエムブレムでは長らくペガサスナイトの三姉妹が登場するのがお約束となっていた。
 その伝統は(リメイクを除けば)残念ながら『烈火の剣』(2003)を最後に途絶えてしまったが、いまだにファンの間ではペガサス三姉妹の印象と人気は根強い。

 気がつけば、『烈火の剣』から干支ひと回り以上の時が経ってしまった。『暗黒竜と光の剣』はなんとふた回り以上も昔だ。
 そんないまこそ、あえてペガサス三姉妹の歴史について振り返ってみたい。



■初代三姉妹
ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣
(1990,任天堂,ファミリーコンピュータ)

長女:パオラ(14章で加入)
次女:カチュア(14章で加入)
三女:エスト(18章で加入)

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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)
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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)
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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)

 記念すべき初代ペガサス三姉妹。
 いま見ると3人ともめっちゃブスだが、当時はカチュアを中心に絶大な人気を誇った。
 優しく聡明な長女、生真面目でしっかり者の次女、明るく元気な三女という性格面の個性。力・技が高い長女、バランス型の次女、速さと成長率が高い三女という能力面の個性。それらは後のペガサス三姉妹に受け継がれるフォーマットとなった。
 また、3人が敵に隣接して攻撃すると発動する隠し技「トライアングルアタック」も初代から存在。100%の確率で必殺の一撃が発動し、相手の守備力がどんなに高くても最低15ダメージが保証される強力な効果。
 以降のシリーズで多少効果が変わることはあるが、トライアングルアタックそのものは定番の要素となっていく。
 なお、彼女たちは続編である『外伝』『紋章の謎』にも引き続き出演。
 その際も、それぞれの個性やパオラ・カチュア→エストという加入順はしっかり守られている。



■1.5代目三姉妹
ファイアーエムブレム 聖戦の系譜
(1996,任天堂,スーパーファミコン)

長女?:メング(敵ユニット)
次女?:ブレグ(敵ユニット)
三女?:メイベル(敵ユニット)

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出典:Valhalla~ファイアーエムブレム攻略~(http://www7a.biglobe.ne.jp/~hyunkell/)
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出典:Valhalla~ファイアーエムブレム攻略~(http://www7a.biglobe.ne.jp/~hyunkell/
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出典:Valhalla~ファイアーエムブレム攻略~(http://www7a.biglobe.ne.jp/~hyunkell/

 『聖戦の系譜』ではなんと敵ユニットとしてペガサス三姉妹が登場。
 3人それぞれ名前こそ違うが、見た目は同じ、能力もまったく同じ。
 これを正式にペガサス三姉妹として認めるかどうかはファンの間でも意見が分かれるところなので、とりあえず1.5代目としてカウントする。
 ちなみに、敵なのだがトライアングルアタックはバッチリしかけてくる。油断すると死ぬ。



■二代目三姉妹
ファイアーエムブレム 封印の剣
(2002,任天堂,ゲームボーイアドバンス)

長女:ユーノ(20章で加入。ルートによっては加入しない)
次女:ティト(10章または11章で加入)
三女:シャニー(2章で加入)

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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)
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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)
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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)

 『封印の剣』はゲーム全体として原点回帰を強く意識した作品となっており、ペガサス三姉妹のキャラクターも初代にかなり沿った形でデザインされた。
 優しく聡明な長女、生真面目でしっかり者の次女、明るく元気な三女。力・技が高い長女、バランス型の次女、速さと成長率が高い三女。いずれもそのまんまである。
 ただ、加入順は逆になり、最初に仲間になるのは三女のシャニー。なんと2章からという超早期参入であるため、活躍の期間がかなり長い。地形を無視して移動できるペガサスナイトは本作の要である「救出」システムをもっともうまく使えるクラスであるため、多くのプレイヤーがシャニーには特にお世話になったに違いない。ぼくもシャニーにはいろんな意味でお世話になった。
 そのこともあってか、各種人気投票などに見るキャラ人気ではつねにシャニーが頭ひとつ抜けていた。その人気たるや、いまでもGoogleに「シャニー」と打ち込むと候補に「シャニー かわいい」が出てくるほど。ぼくもシャニーにはいろんな意味でお世話になった。
 とはいえ、ティトとユーノも人気があった。ティトは生真面目だけど不器用で、姉でもあり妹であり、という年頃の少女らしい揺れ動く姿が人気を呼び、ユーノは人妻属性持ちであることから一部の熱烈なファンを生んだ。



■三代目三姉妹
ファイアーエムブレム 烈火の剣
(2003,任天堂,ゲームボーイアドバンス)

長女:フィオーラ(エリウッド編18章、ヘクトル編19章で加入)
次女:ファリナ(ヘクトル編25章で加入。エリウッド編では加入しない
三女:フロリーナ(3章で加入)

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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)
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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)
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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)

 三代目にして、最後のペガサスナイト三姉妹。
 それぞれの能力的な個性は過去作を踏襲しているが、性格は次女と三女が逆転するような形となった。次女のファリナが明るく活発なタイプ、三女のフロリーナは物静かで引っ込み思案なタイプ。
 加入順はまた変わり、三女→長女→次女となった。しかも次女のファリナにいたってはヘクトル編のみの加入なので、一週目のエリウッド編では絶対に仲間にならない。本作では1回クリアしてからでないと三姉妹がそろわないのだ。
 また、過去作の長女であるパオラやユーノは初期能力が高めなかわりに成長率に難があったが、本作の長女フィオーラは成長率がけっこう高い。三姉妹そろって最後まで第一線を張れる可能性がもっとも高い作品。
 キャラ人気としては、初代三姉妹のカチュアや二代目三姉妹のシャニーほど突出した存在はなく、まんべんなく人気があった印象を受ける。そういう意味では、さきほどの成長率の件と合わせて、ペガサス三姉妹の集大成と言うにふさわしい三姉妹かもしれない。



おまけ:その後の作品について

聖魔の光石
(2004,GBA):長女シレーネ、次女ヴァネッサの二人姉妹。三姉妹ではなくなった。もうひとりのペガサスナイトであるターナとの組み合わせでトライアングルアタックができる。余談だが、ターナは公式イラストが公開されたとき、2chなどで「ムチムチでめっちゃエロい」と評判になった。
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出典:ファイアーエムブレムミュージアム(https://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/)

蒼炎の軌跡(2005,GC)、暁の女神(2007,GC):マーシャ、タニス、エリンシア(暁の女神ではシグルーンも)というペガサスナイトが登場。血縁関係はない。トライアングルアタックはできる。

覚醒(2012,3DS)、if(2015,3DS):姉妹ではないが、親子という形で血縁関係が復活。ただしトライアングルアタックはなくなってしまった。




 個人的には『封印の剣』の二代目三姉妹がもっとも思い入れが強いが、そうした好みについては、おそらく「どの年代にもっともFEにハマっていたか」というのが大きく影響していると思う。
 シリーズのファンならば、ペガサス三姉妹への想いを振り返ってみれば、自分自身とファイアーエムブレムとの付き合いの歴史が自然と思い出せるのかもしれない。